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青色申告ならではの恩恵がたくさん!メリットややり方、必要書類などを解説

確定申告には大きく分けて2つあり、1つが白色申告、もう1つが青色申告です。
元々は青色の紙を使っていたことから、現在でも白色・青色の名が受け継がれています。

この青色申告、白色申告に比べて手間がかかるものの青色申告にしかないメリットが多くあります。
今回は青色申告って誰ができるの?という基本的なところからはじまり、届け出のやり方、受けられるメリット、青色の確定申告をするときに必要な書類などをお話いたします。

「事業所得」「不動産所得」「山林所得」があればサラリーマンでも青色申告ができる

国税庁のページによれば、青色申告ができる人は「不動産所得」「事業所得」「山林所得」がある人だと書かれています。
これら3つの所得を簡単に説明すると、

  • 不動産所得:アパートや一戸建てなどを所有し、賃料などで収益を得ている
  • 事業所得:自分で飲食店を営んでいる、フリーランスなど個人事業として収益を得ている
  • 山林所得:山林を伐採したり立木のままで売買することで収益を得ている

となります。

これら3つのうちいずれか1つでも所得があれば、後述する書類を出して青色申告をすることが可能です。
フリーランスや不動産投資家だけでなく、普段は会社勤めしているものの副業など会社以外での稼ぎ(=事業所得)があるサラリーマンなども、申請すれば青色申告を行うことができます。

参考:国税庁 | No.2070 青色申告制度
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

【青色申告のやり方】「開業届」と「青色申告承認申請書」の2つを税務署に提出する

青色申告をするには、「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
また、この「青色申告承認申請書」を出すには「開業届」を出していなくてはいけないため、結果として2つの書類が必要になります。

どちらの書類も国税庁のホームページからダウンロードできますし、最寄りの税務署に行けばその場で申請することも可能です。

いずれにせよすぐに手続きができますので、「開業届」と「青色申告承認申請書」の両方を同時に提出しておくことをおすすめします。

参考:国税庁 | 個人事業の開業・廃業等届出書(pdf)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/05.pdf

参考:国税庁 | 所得税の青色申告承認申請書(pdf)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/05.pdf

青色申告で65万円控除をもらうには、帳簿を複式簿記でつける必要あり

一口に青色申告といっても、実は帳簿のつけ方によってさらに2つに分類されます。
1つ目が複式簿記と呼ばれる複雑な帳簿のつけ方をするもの、もう一つが簡易簿記(単式簿記)です。
前述の「青色申告承認申請書」の中に、複式簿記か簡易簿記かを選ぶ箇所があります。

青色申告の大きなメリットである「所得税の65万円控除」を受けるためには、前者の複式簿記で帳簿づけする必要があります。
簿記を学んでいない方だと複式簿記をいきなり実践するのはちょっと難しいと思いますが、会計ソフトなどを駆使してチャレンジしてみる価値はあると思います。

なお、青色申告の簡易簿記を選んだ場合、控除額は65万円から10万円まで減額されます。
といっても同じ簡易簿記で帳簿づけをする白色申告の場合、控除は一切もらえません。
ほぼ同じ労力で数万円の税金が安くなると思えば、申請書類を出してでも青色申告をする価値はあるといえます。
そして青色申告のメリットは所得税の控除だけではありません。
次章でそのメリットについて詳しくご紹介しましょう。

【個人の青色申告のメリットは4つ!】手間がかかる分だけ恩恵も大きい

青色申告は65万円(もしくは10万円)の控除が受けられるとお伝えしましたが、実はそれ以外にもメリットがいくつかあります。
そのメリットとしては、

  • 家族への給与が経費として計上できる(青色事業専従者給与)
  • 赤字を3年間繰り越すことができる(純損失の繰越控除)
  • 30万円以下までの資産を一括償却できるようになる(少額減価償却資産特例)

の3つが挙げられます。

まずは1つ目の「家族への給与が経費として計上できる」についてです。
白色申告では家族への給与は経費にできず、最大でも86万円までしか”控除”の対象となりません。
しかし、青色申告になると家族へ支払った給与を全額経費として計上できるようになります。
もちろんですが、給与は常識的な範囲内の金額に限られます。

(注意)
※配偶者に給与を支払った場合、配偶者控除は受けられなくなります。

また、とある年度で収益が赤字(純損失)となってしまった場合、その後3年間にわたって赤字の繰り越しができます。
2018年度に200万円の赤字が出た場合、2019年度~2021年度まで利益分から相殺することが可能です。
イメージとしては以下の表のような感じです。

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
所得 ▲200万円 50万円 100万円 250万円
純利益 ▲200万円 0万円 0万円 20万円
赤字繰越 ▲50万円(残:▲150万円) ▲100万円(残:▲50万円) ▲50万円(残:0万円)

そして3つ目の「少額減価償却資産特例」
本来であれば10万円を超える備品はすべて減価償却の対象となるのですが、青色申告であれば30万円以下の備品はその年度内で一括償却ができるようになります。

例えば20万円のノートパソコンを買った場合を考えてみましょう。
ノートパソコンの耐用年数は4年と定められているので、年間5万円ずつしか経費計上ができません。
しかし、青色申告であれば買ったその年に20万円分を一気に経費計上でき、減価償却という面倒な計算をしなくていいことになります。
スマートフォンが10万円を超えるこの時代。
10万円を超えてしまう物品は意外と多くあることから、この特例は青色申告の隠れたメリットともいえます。

前述した65万円(10万円)控除に加えて、これら3つが青色申告ならではのメリットとなります。

参考:国税庁 | 耐用年数表
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34353.php

65万円の控除でどのくらい税金がお得になるのか

青色申告のメリットはわかったけど、実際どれぐらいお得になるの?と思う方もいるのではないでしょうか。
ここではフリーエンジニアのSさんを例にして、実際に計算してみたいと思います。

【Sさんのプロフィール】
・年間売上:600万円
・年間経費:150万円
・家族構成:専業主婦の妻が1人
・事業所得のみ
・年間の社会保険料は100万円

■年間所得=売上ー経費=600万円ー150万円=450万円
■課税所得=年間所得ー控除(基礎控除・配偶者控除・社会保険料控除)=450万円ー38万円ー38万円ー100万円=274万円
税金がかかる対象は274万円となりました。

もしSさんが白色申告で確定申告を行うとすると、支払う税金の金額は、
■白色申告の場合の所得税額=課税所得×10%ー97,500円=274万円×10%ー97,500円=176,500円
となります。

これがもし青色申告の65万円控除を受けた場合、課税所得が少なくなるので、
■課税所得=年間所得ー控除(基礎控除・配偶者控除・社会保険料控除)ー青色申告特別控除=450万円ー38万円ー38万円ー100万円ー65万円=209万円
■青色申告の場合の所得税額=課税所得×10%ー97,500円=209万円×10%ー97,500円=111,500円
となり、白色申告と比べると「65,000円分の税金がお得」になります。

所得税の税率は課税所得によって5~45%まで変動しますので、所得が高い人ほど青色申告特別控除の恩恵も比例して大きくなります。

補足:65万円の控除が受けられるのは個人だけで法人はなし

ちなみにこの青色申告特別控除、65万円(もしくは10万円)が受けられるのは「個人の確定申告のみ」となります。
法人でも白色申告と青色申告がありますが、青色申告を選んだとしても控除はありませんので注意してくださいね。

期限に遅れると控除額が10万円に。2年連続の遅れで青色申告取り消しも……

多くのメリットがある青色申告ですが、1点だけ注意すべき点があります。
当たり前かもしれませんが「確定申告の申告期限を守ること」です。

青色申告の恩恵は期限までに申告することを前提としており、期限を過ぎてからの確定申告になると65万円控除はもらえず10万円にまで減額となります。
もちろん、65万円控除で確定申告書類を作っていた場合、書類を作り直さなければいけないことに……。

加えて、青色申告者で2年連続して申告期限を過ぎてしまった場合、その時点で青色申告は取り消しとなります。
最低でも1年間は再申請ができないため、当年と翌年の2年間は青色申告の恩恵を受けられません。

2018年度の申告期限は、2019年2月18日(月)から3月15日(金)まで。
青色申告の恩恵にあずかるためにも、余裕を持って確定申告をするようにしましょう。

青色申告のやり方を解説!必要な書類は2つ

青色申告のやり方やメリットなどをお話したうえで、最後に青色申告をするために必要な書類についてお伝えします。

青色申告で必ず用意すべき書類は、次の2つです。

  • 確定申告書B
  • 青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表)

確定申告書B

青色申告の場合、まず必要なのは「確定申告書B」です。
この用紙には収入・所得・控除・課税額などがすべて1枚にまとまっています。
申告書には「確定申告書A」もありますが、こちらは給与所得のみの方など一部の方に限定された書類です。
青色申告をする方であれば、「確定申告書B」を選んでください。
以下の国税庁ページでもダウンロードできますし、年度末が近づくと税務署から自宅に送られてくるケースもあります。

参考:国税庁 | 確定申告書B(pdf)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/h29/02.pdf

青色申告決算書

そしてもう1つが「青色申告決算書」という書類。
個人事業主であっても一つの企業という考え方から、法人と同じように損益計算書と貸借対照表を作らなくてはなりません。
個人で作ることもできなくはないですが、計算が複雑な部分も多いため、会計ソフトなどを利用するか出来上がったものを税務署や税理さんに確認してもらうのがいいでしょう。

参考:国税庁 | 青色申告決算書(pdf)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/h28/10.pdf

参考:税務署 | 青色申告決算書(一般用)の書き方(pdf)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/h28/10.pdf

書類の準備ができたら期限内に書類を提出!

これら2つの書類が出来上がったら、あとはそれを税務署に提出すれば無事に青色申告での確定申告が完了します。
所得税の追加納付が必要な方は3月15日までに支払いをおこなってください。なお、還付金がある方は確定申告からしばらくすると自分の銀行口座に還付金が振り込まれます。

書類の提出方法としては、

  1. 管轄の税務署に直接持っていく
  2. 管轄の税務署に郵送で送る
  3. e-taxを使ってオンラインで提出する

のいずれかとなります。

税務相談や申告書のチェックをしてほしい方は1,を、平日は仕事で忙しくなかなか税務署に足を運べないという方は2,もしくは3,をおすすめします。

ただし、3,のe-taxは事前に申請が必要になるため、隙間時間などにe-taxの申請を済ませてしまいましょう。

参考:国税庁 | e-tax
http://www.e-tax.nta.go.jp/

青色申告を使って、税金面でのお得をゲットしよう

今回の記事をまとめると、

  • 「事業所得」「不動産所得」「山林所得」のどれが1つでもあれば、サラリーマンでも青色申告ができる
  • 青色申告をするには、開業届と青色申告承認申請書の2つを税務署に提出する
  • 「65万円控除」「家族の給与を経費に」「純損失を3年間繰り越し」「30万円以下なら一括償却」が青色申告のメリット
  • 申告期限を過ぎると65万円控除はもらえない。2年連続で取り消しに
  • 確定申告のときは「確定申告書B」と「青色申告決算書」が必要

となります。
白色申告よりも必要な書類が増えたり、帳簿づけが大変だったりしますが、それ以上の恩恵が青色申告にはあります。
個人事業主やフリーランスの方はもちろん、副業しているサラリーマンの方も、ぜひ青色申告にチャレンジしてみてくださいね。

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