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「扶養」とは?税法上・社会保険上の扶養の違いと、外れる場合のメリット・デメリットを解説します

「扶養内で働くことのメリットが知りたい」
「結局どのくらい働くと扶養から外れるのかがわからない」
という方もいるかもしれません。

一般的に扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」があり、それぞれ条件が異なります。
収入や家族構成などの状況によっては、扶養範囲内で働きたいという場合もありますよね。

とはいえ2種類の扶養は、似たような言葉が多く混同してしまいがちです。

そこでこの記事では

  • 扶養とはなにか
  • 「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」について
  • 扶養から外れるメリット・デメリット

について紹介します。

違いを理解して自分にあった働き方を考えたいという方は、ぜひご一読くださいね。

扶養とは他者を養うこと。「扶養控除」とは扶養している人がいる時に受けられる所得控除

収入が低かったり、何かの理由でひとりで生活することが難しかったりする人の生活を支えることを扶養といいます。

たとえば会社員の夫、専業主婦の妻、17歳の子どもが一人いる場合、妻と子どもは夫に「扶養されている」状態です。
他の人を養っている状態なので、自分ひとりで生活しているより金銭的に負担がかかります。
そのため会社によっては、扶養している家族がいると扶養手当が出る場合もあるのです。

また配偶者を扶養している場合・扶養親族がいる場合、扶養控除を受けられます。

扶養控除について詳しく知りたい方は下記の記事で詳しく解説しているので、あわせてご一読ください。

扶養控除を受けるためには、扶養控除等(異動)申告書を勤務先に提出し、扶養している人を申告する必要があります。
扶養控除等(異動)申告書については、下記の記事をご確認ください。

「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」は違うもの

扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があり、それぞれ別の制度です。
細かい点で条件に違いがあり、「税法上では扶養関係にないが、社会保険上は扶養関係にある」という場合も考えられます。

以下でそれぞれの扶養について、詳しく解説していくので扶養の範囲内で働きたいと思っている人は違いをチェックしてくださいね。

税法上の扶養とは「扶養親族」と「配偶者」が対象

税法上の扶養は「扶養親族」と「配偶者」が対象です。
以下の条件をすべて満たすと税法上の扶養親族となります。

  1. 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)又は都府県知事から養育を委託された児童(里子)や市町村長から養護を委託された老人
  2. 納税者と生計を一にしている
  3. 年間の合計所得金額が38万円以下
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていない又は白色申告者の事業専従者ではない

参考:国税庁 扶養控除https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1180.htm

配偶者の場合、1つ目の条件が「配偶者であること(内縁関係は除く)」となり、その他は同じ条件を満たせば「控除対象配偶者」となります。
ただし納税者本人の所得が1000万円を超える場合は、配偶者控除を受けられません。

参考:国税庁 配偶者控除https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm

16歳以上の扶養親族がいる場合は「扶養控除」を、控除対象配偶者がいる場合は「配偶者控除」を受けられるので、所得税の支払いを少なくできます。

では税法上の扶養の範囲内で働くための月収はどのくらいか、配偶者とそれ以外のケースについて紹介していきますね。

税法上、配偶者が扶養の範囲内で働く月収は約16万円、子供のバイトは約8万円

扶養の範囲内で働ける具体的な月収は、配偶者の場合は約16万円、それ以外の扶養親族であれば約8万円です。

配偶者とは妻にとっての夫、夫にとっての妻のことです。その配偶者に限っては所得が38万円を超えても、123万円以下であれば「配偶者特別控除」の対象となります。

所得が123万円というのは、給与収入のみの場合は年収約201万円です。
つまり、月収に換算すると、約16万円となります。

対して、子供などの場合は配偶者ではなく扶養親族となります。そのため、アルバイトをする学生なら所得38万円までに留める必要があります。給与収入なら年収103万円がボーダーライン、月収だと約8万円までは親の扶養の範囲内です。

ちなみに、19歳から23歳の子供は「特定扶養親族」となり、控除額が63万円となります。

少しでも多くアルバイトしたいという大学生もいるかもしれません。
しかし税金の支払額より多く稼げるのかよく考えて、扶養から外れる分だけ稼ぐのかどうかは親御さんとも相談しましょう。

扶養親族の条件や扶養控除については、以下の記事でもっと詳しく解説しています。

社会保険上の扶養とは年収130万円以下の「扶養家族」が対象

以下の条件をすべて満たすと社会保険上の被扶養者、「扶養家族」となります。

  1. 75歳未満の配偶者と3親等以内の親族(内縁可)
  2. 年間見込収入130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は、180万円未満)

また関係性によって追加される条件は以下の3つです。

  • 配偶者・父母・祖父母・子・孫・兄弟姉妹以外の親族の場合は同一世帯であること
  • 別居の場合は収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満
  • 同居の場合は基本的に収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満

被保険者1人分の保険料で、扶養家族分も含めて健康保険の利用が可能です。

しかし年収130万円未満であっても、労働日数や労働条件等の条件を満たす場合は自分で社会保険に入ることになり、扶養からは外れてしまうので注意しましょう。

扶養家族について詳しい条件等は、下記の記事をご確認ください。

扶養から外れるメリット・デメリット

扶養から外れて働くことによるメリット・デメリットは、どのくらい稼ぐのかによって変わります。

主なメリットとしては

  • 正社員で働いてキャリア形成が可能
  • 年金の積立や傷病手当・失業保険の受給が可能
  • 収入が増える

というものです。

デメリットとしては

  • 収入額によってはかえって手取りが減る可能性がある
  • 扶養控除が受けられなくなる

というものが挙げられます。

それぞれのメリット・デメリットについて解説していくので、ご自身の状況に照らして考えてみてくださいね。

扶養から外れるメリット

扶養から外れる主なメリットは

  • 正社員で働いてキャリア形成が可能
  • 年金の積立や傷病手当・失業保険の受給が可能
  • 収入が増える

という3つの項目が挙げられます。

  • 自分でもしっかり働きたい
  • キャリアアップしたい

と思っている方は、扶養控除の上限を気にせず働けることが大きなメリットになるでしょう。

また厚生年金の積立もできるので、将来受け取れる年金の金額を増やせます。
働けなくなってしまった場合も、雇用保険に加入していれば傷病手当や失業保険を受給することができるので安心です。

くわえて、税金等の支出が増える分を超えて稼ぐことができれば、世帯全体でみても収入を増やせますね。

扶養から外れるデメリット

扶養から外れるデメリットは

  • 収入額によってはかえって手取りが減る可能性がある
  • 扶養控除が受けられなくなる

の2つです。

扶養からギリギリ外れるくらいの収入の場合、税金や社会保険料の支払いで手取りが減ってしまう場合があります。

たくさん働いたのにかえって収入が減ってしまうのは、大きなデメリットですよね。
ギリギリ外れてしまうよりは、扶養内におさめるほうがおすすめです。

また、もともとあなたを扶養していた人が、扶養控除を受けられなくなる点も注意しましょう。
自分自身の支払い面ではプラスになっていても、世帯全体でみるとマイナスになってしまう可能性があります。

特に19歳~23歳の特定扶養親族の場合控除額が大きいので、ご家族とよく相談して収入の計画をたてましょう。

扶養について制度を理解して働き方を考えよう

他人を養い助けるという意味の扶養ですが、制度としては「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」という2種類の扶養があります。
一口に扶養といってもそれぞれ収入の上限も異なる、違う制度です。
そのため「税法上では扶養から外れているが、社会保険上では扶養内」という状況もあり得ます。

また扶養から外れると税金や社会保険料の支払いが必要になるので、上限を少し超えるのであれば大きく稼ぐほうがおすすめです。

扶養から外れるかどうかというのは、本人だけではなく扶養している人の所得にも影響する事柄。
世帯としての収入や、自身のキャリア、ワークライフバランスについて考えて、扶養から外れるかどうか検討してみてくださいね。

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