1. HOME
  2. ふるさと納税について
  3. ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合の控除計算について解説
ふるさと納税

ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合の控除計算について解説

「住宅ローン控除があってもふるさと納税できるのか知りたい」
「ふるさと納税の控除と住宅ローン控除を併用したい」
と思っている方。

ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できるので、上手に利用すれば支払う税金を大きく減らすことができます。

とはいえふるさと納税と住宅ローン控除を併用すると、住宅ローン控除の額が減ってしまう場合もあり、ふるさと納税の上限額の把握が難しいですよね。

そこでこの記事では

  • ふるさと納税の仕組み
  • 住宅ローン控除額の計算方法
  • 住宅ローン控除と併用する場合のふるさと納税の限度額計算式
  • ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合のシミュレーション

を紹介します。

ワンストップ特例制度を利用することで、住宅ローン控除(初年度は除く)と併用しても簡単に控除を受けることができますよ。
住宅ローンを組んでいてふるさと納税も利用したい方は、ぜひご一読ください。

減税効果があるふるさと納税の仕組みを確認

ふるさと納税は自治体へ寄附を行うと、寄附金額の一部が税金から控除される仕組みです。

自治体からは寄附のお礼として特産品が送られてくる場合も多く、減税効果を得られるうえに少ない負担で地方の名産品を受け取ることができる制度として人気があります。

ふるさと納税と併用可能!住宅ローン控除の計算

住宅ローンを組んだ際に利用できる控除が住宅借入金等特別控除で、「住宅ローン控除」「住宅ローン減税」などと呼ばれています。

これは住宅ローン残高の1%が税金から控除される制度で、控除期間は10年、控除の上限額は40万円です。
基本的に所得税から控除されますが、引ききれなかった場合は住民税からも控除されます。
ただし住民税からの控除は所得税の課税所得金額の7%か136,500円のどちらか低いほうが上限です。

たとえば給与所得が300万円、年末のローン残高が1500万円という場合について、計算してみましょう。

給与所得が300万円の場合、給与所得控除が108万円、所得税の基礎控除が38万円なので所得税の課税所得金額は154万円になります。

この場合の所得税金額は
154万円×5.105%=78,617円
端数は切り捨てなので78,600円です。

ローン残高1,500万円の1%は15万円なので、所得税は住宅ローン控除で全額控除となります。
残りの控除可能額は15万円ー78,600円=71,400円。

住民税額は159,000円、所得税の課税所得金額の7%は
154万円×7%=107,800円

なので住民税からは71,400円が控除されて、住民税の支払額は87,600円となり、住宅ローン控除の15万円が控除できました。

参考:国税庁 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213.htm

参考:総務省 新たな個人住民税における住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/090929.html

この住宅ローン控除とふるさと納税は併用が可能です。
しかし上手に両方の控除を受けるためには、ふるさと納税する金額をしっかり調整する必要があります。
どちらの控除も活用していくためのポイントを、以下で説明していきますね。

住宅ローン控除と併用する場合のふるさと納税限度額の計算式を確認

ふるさと納税を行うと「寄附金控除」という控除を利用できます。
寄附金控除の上限金額は、「課税所得」をもとに計算可能です。

一方住宅ローン控除とは、税額が直接控除される制度。
住宅ローン控除を受けても課税所得の金額は変わらないので、住宅ローン控除は寄附金控除の上限計算自体には影響しません。

そのため住民税額と所得税率をもとに以下の計算式を利用すると、ふるさと納税の上限額が計算できます。

所得税課税所得金額 限度額
195万円以下 住民税×23.55851…%+2,000円
195万円~330万円以下 住民税×25.06579…%+2,000円
330万円~695万円以下 住民税×28.74389…%+2,000円
695万円~900万円以下 住民税×30.06750…%+2,000円
900万円~1,800万円以下 住民税×35.51956…%+2,000円
1,800万円~4,000万円以下 住民税×40.68348…%+2,000円
4,000万円~ 住民税×45.39779…%+2,000円

この表の詳細は、「ふるさと納税は経費にできるのか?仕訳・確定申告の方法を解説!」という記事をご参照ください。

参考:総務省 ふるさと納税のしくみ
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html

しかし控除は支払った税金が戻ってくるというもの。
もともと支払うべきだった税金以上に控除を受けることはできません

ふるさと納税の所得税控除を利用することで住宅ローン控除の所得税控除が減ってしまい、その分住宅ローン控除の総額が減ってしまうという場合も考えられます。
住宅ローン控除でどのくらい税金が控除されているのか、どのくらい税金が残っているのかを確認してふるさと納税をすることが大切です。

ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合の税控除計算をシミュレーション

ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合どのように税金が控除されるのか、具体的に金額を計算してみましょう。

  • ワンストップ特例制度を利用する場合
  • 確定申告が必要な場合

に分けてシミュレーションしていきますね。

ワンストップ特例制度を利用する場合

  • 確定申告が不要
  • 寄附自治体が5箇所以内

という条件を満たしていれば、ワンストップ特例制度が利用可能です。

住宅ローンを組んで2年目以降の方は確定申告が不要なので、ほかの事情で確定申告が必要でなければワンストップ特例制度を利用できます。

ワンストップ特例制度を利用すると寄附金控除は全額住民税からの控除になるので、住宅ローン控除の金額を気にせず寄附金控除の上限までふるさと納税が可能です。

たとえば先ほども例に出した給与所得が300万円、年末のローン残高が1,500万円という場合で計算してみましょう。

所得税の課税所得金額154万円、住民税額159,000円とすると、寄附金控除の上限額は上の表を利用して
159,000円×23.55851…%+2,000円=39458.0309…円
となり、約39,000円までふるさと納税可能です。

年末のローン残高が1500万円、住宅ローン控除が15万円なので所得税78,600円は全額控除されます。
残りの控除額は
15万円-78,600円=71,400円。

住民税額は159,000円、所得税の課税所得金額の7%は
154万円×7%=107,800円
なので住民税からは71,4000円が控除されて、住民税の残額は87,600円となります。

ふるさと納税を35,000円行うと、自己負担2,000円を除いた33,000円が寄附金控除となり
87,600円-33,000円=54,600円
で、54,600円が住民税の支払額となります。

この場合は寄附金控除で33,000円、住宅ローン控除で15万円控除され、合計183,000円が控除されました。

確定申告が必要な場合

住宅ローンを組んで1年目の場合や、医療費控除の利用がある場合は確定申告が必要です。
ワンストップ特例制度は利用できないので、ふるさと納税による寄附金控除も所得税と住民税から行われます。

上記で利用した例と同じ、給与所得300万円、年末ローン残高1,500万円の場合税控除がどうなるか計算してみましょう。
所得税の課税所得金額154万円、住民税額159,000円、ふるさと納税上限額39,000円は上記で計算した通りです。

所得税からの寄附金控除は「所得控除」というもので、ルールとして「税額控除」よりも先に計算することになります。
ふるさと納税の所得税控除は
(ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」
という式で計算可能です。

上の例と同じく35,000円ふるさと納税したとして
(35,000円-2,000円)×5.105%=33,000円×5.105%
              =1684.65円
端数処理で切り上げて、1,685円が所得税から控除されます。

残った所得税から、住宅ローン控除の分を引くので

78,600円-1,685円=76,915円

で住宅ローン控除の残額は
15万円ー76,915円=73,085円
です。

ふるさと納税の控除分住宅ローン控除の残額が増えていて、住民税から控除される住宅ローン控除は73,085円。

住民税159,000円からは
ふるさと納税住民税基本控除=33,000円×10%
             =3,300円
ふるさと納税住民税特例分=33,000円×84.895%
            ≒28,015円

と合計して104,400円が控除となり、住民税の支払額は54,600円となります。

このケースだと確定申告をしても両方の控除を、全額引ききることができました。
しかしローン残高や医療控除の金額によっては、住宅ローンの住民税の控除上限額に達してしまい、住宅ローン控除が使いきれない場合があります。

確定申告をする必要があって住宅ローン控除とふるさと納税を併用したい場合は、住宅ローン控除の金額を計算してみましょう。
ふるさと納税の所得税控除分が、「住民税からの住宅ローン控除上限」から「住民税からの住宅ローン控除額(住宅ローン控除額ー所得税額)」を差し引いた金額よりも少ない範囲であれば、どちらの控除も全額利用することができますよ。

上記の例でいうと
住民税からの住宅ローン控除上限額=107,800円
住民税からの住宅ローン控除額=71,400円
なので
107,800円-71,400円=36,400円
となり、ふるさと納税の所得税控除分が1,685円なので全額控除できる範囲となります。

ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合は控除額の確認を!可能であればワンストップ特例制度の利用がオススメ

住宅ローン控除はふるさと納税の上限額の計算に影響を与えません。
しかし住宅ローン控除を考えずにふるさと納税すると控除を活かしきれない可能性があります。

確定申告が必要な方は、控除の金額をしっかり確認してみてください。

  • 住宅ローン控除は所得税で引ききれるのかどうか。
  • 住民税にも影響するとして、住民税控除との差額はどのくらいなのか。

など、住宅ローン控除とふるさと納税のバランスを見てふるさと納税しましょう。

ワンストップ特例制度が利用できる場合、寄附金控除は全額住民税から控除されるので、住宅ローン控除を気にする必要はありません。
年収や家族構成に応じた寄附金控除の上限だけ確認して、安心してふるさと納税してください。
細かいことを気にせずふるさと納税できるので、条件が合う方はワンストップ特例制度の利用がおすすめですよ。

関連記事